「システム開発」インタビュー

 

「AI補助で、ストレスフリー 定年無しの会社を目指す。」

 

創業70年目を迎えて
2018年2月
代表取締役 副社長 野口 博永

 

・働き方改革とは…
・AIに対しネガティブな川柳も有る様ですが…

 

売り手市場の中、私共中小製造業は、募集を掛けても人が来ないのが現状です。また、全産業の4分の3がサービス産業で、そのユーザーの多くは、女性だと言う記事を読んだ事が有ります。消費拡大の為、そして、少子高齢化問題も含め、夫婦は、ご家庭での協業(家事・育児・介護)が必要とされ、今、正に働き方改革に直面しております。

 

幸いにも、当社は70歳以上の大ベテランの方々が、大勢元気に活躍しており大変助かっております。
しかしながら、やはり歳を重ねる毎に、時間の制限やストレス軽減への問題が発生して参ります。以前は、ジャストインタイム生産を徹底し、品質や納期に個々に集中し、「ハラハラ」しながら人海戦術の体力勝負でしたが、今では、A I(当社は簡易的なアイ(AI)デアシステム)の補助により、様々な精度の高い予測や発信を自動的に行い、先手を打ち、役割分担を行う事により、無理無駄なく負荷軽減を実現しております。

 

当社は、現場も事務所も「面倒くさいな、後回しにしたいな、」と思うストレス有る仕事は、ボトムアップにより、システム化や自動化を進めております。これを省人化と考えず、負荷軽減と捉え、生産ラインのシェア化等と言った働き方改革を行っております。また、完全に A I 任せでは無く、中小製造業なりのアイ(AI)デアシステムが人の補助を担い、ストレスフリー且つ品質と生産性を、より向上させる職場環境造りを進め、定年無しの会社を目指して行きたいと思います。

 

まず第一ステップとして、現状の設備と人員でプラス1割強の能増=拡販を目標としております。

「システムで自分の分身を現場へ」

 

DAIQ生産管理システムの構想は、H25年頃からスタートいたしました。私共中小製造業の経営者は、1人で何役も兼務せざるを得ない時も有り、現場部門では、常に品質と納期に追っかけ回されているのが日常でした。そして、新規受注と共に作業者が増え、また、経理(総務)や営業等の様々な業務の傍らでの現場監督は、もはや休み無くタイムアウト状態でした。良い経験をさせていただきました。

 

当時は、巨大ボードにペーパーでの生産計画で、多品種少ロット部品の多い当社は、1日分の掲示でいっぱいで、常時見直しが必須でした。その頃から、生産計画こそ品質の要と感じており、案の定、生産計画が疎かになると、品質悪化となり、苦しい時代が続きました。当時の私共の品質と納期は、監督者の経験と采配で決まるもので、いかに効率良く流し、変化点や負荷を洩れなく事前に周知し、準備が出来るかどうかでした。日曜日の夜、心配になり、よく出荷検査をしに会社に来た事を思い出します。

 

昭和コンピューターシステム㈱とは、10年程前に社内システムを旧PCからWindowsへ換装していただいた時からのお付き合いで、今では欠かす事の出来無い、とても優秀なビジネスパートナーです。

 

DAIQの開発は、私は、仕事の合間は常に考えておりましたが、昭和コンピューターシステムでの基本ベース作成期間は、これから展開するプレス部門と合わせて、H28年7月~10月迄と非常に短期間でやっていただきました。同年12月に発表、翌年H29年4月~実稼働し、それから少しずつ調整とバージョンアップを重ね、ようやく、システムで自分の分身を現場へ実現する事が出来、生産性向上と流出不良ゼロをキープする事に成功いたしました。現場としても、私よりDAIQに言われた方がやり易い様です。

 

開発中は、これが IoT だとか AI だとかは、一切考えておらず、ただ会社を少しでも良くしたいと思う一心で進めており、時代の変化と共に、やらざるを得なかった状況だったと思います。

「5SとIoTはワンセット」

 

製造現場での IoT や AI は、5S が整ってこそ生きて来ると思います。IoTは、工場全体をプログラム化する様なものですから、5Sが悪いとシステムが阻害されてしまいます。当社は、平成19年の ISO 取得をきっかけに、徹底した5S改善を継続しております。

 

私の知る製造業の歴史は、5S から始まり、看板方式からバーコードリーダーの時代へ、そして今日の IoTと AI の時代へと第4次変革となります。いずれの時代も 5S が原点で全ての基本となっており、結果的には5S も IoT と AI で管理するので、同時に取り組む事がポイントだと思います。

「あらゆる仕事をDAIQシステムへ」

 

DAIQシステムの良い所は、自動で実績学習をし続けてくれる事です。特に生産学習については、毎日の日報を自動作成して行くので、データーをインプットをしていなくても、特殊な計算方法により、最適な基礎データーが作られており、習慣的な生産性の UP/DOWN を自動配信する事で、新規立ち上がり品のフォローや、従来品の改善活動を行う際に実態が直ぐに分かります。

 

また、何でもDAIQとリンクさせておけば、無駄や忘れが無く、いざ必要な時に、いくらでもデーターを引っ張り出せて、活用する事が出来るので、当社は様々な業務をDAIQに集約する事を進めております。

「これからの 中小製造業として」

 

このまま売り手市場が続き、少子高齢化が進むと、中小製造業の人材不足は、更に深刻化するかも知れません。しかし、今から AI の開発に取り組み、AI を使える人材育成を進めておけば、人材の自然減に対し、1人で多くの仕事をこなせる少数精鋭となり、たくさんの給与がもらえる様になるかも知れません。そんな中小製造業の可能性を、これからの学生さん達にお伝えして行ければ良いなと考えております。

 

今は、その為の準備段階で、これからも、長寿大国日本のベテラン方々に、益々元気に活躍していただき、そして、ノウハウを取り込みながら、共に中小製造業を支えて行きたいと思います。

「低予算でIoTを追及、今後も」

 

Skype の Bot サービス機能と、DAIQをリンクさせていただいた事により、素早い自動配信が出来る様になりました。当社では、Skypeは仕事、LINEはプライベートとして利用させていただいております。

 

DAIQは、一つのインプット情報から、自動分析を行い、幾種類もの精度の高い予測情報へ展開させる事を追求しております。

 

今後は、既に開発済ですが、DAIQとアンドン(部品要求、監督者呼び出し、ピッキングミス)や溶接信号等の従来の機械配線を接続し、これらの情報を自動分析させる事で、カメラやセンサーを使用しなくても、人の動きを管理出来る仕組みを構築し、また、AR眼鏡ディスプレイ(拡張現実)の使用等も進めて行きたいと思います。
作業者は、軍手をはめて生産に集中しておりますので、出来るだけ従来通り変わらない動作(アンドン S/W のみ)で、負担を掛けない様に、中小製造業なりの低予算 IoT を進めて行きたいと考えております。

 

以上